電子お薬手帳の誕生
お薬手帳は、東日本大震災のときに重要性が評価されました。
しかし、まだまだ患者さんにはその重要性が伝わってない場合もあります。
また、高齢の方ではお薬手帳をうっかり忘れてしまうこともあり、十分に活用できていないケースも見られます。
そこで、普段携帯しているスマートフォンを活用して、お薬手帳の代用ができないかといった試みが行われました。
[日本薬剤師会より]
電子お薬手帳は日本薬剤師会が提供する日薬eお薬手帳や、大阪府薬剤師会が提供するe-お薬手帳(2021年1月末にサービス終了)、各調剤薬局チェーンの作成したものなど多く誕生しています。
使用方法は、薬局の発行するQRコードをこれらのアプリで読み込むだけと非常に簡単な点が評価されています。
[日本薬剤師会HPより改変]
電子お薬手帳についてのアンケート
調剤薬局チェーンの最大手である日本調剤株式会社が2014年に電子お薬手帳についてアンケート調査を行いました。
- 70%以上の人が電子お薬手帳を知らない
- 電子お薬手帳を使いたいと思うのは約50%
- 電子お薬手帳は、面倒くさい・不便、必要ない・冊子で十分、情報の流出が心配などのデメリットがあります。
紙のお薬手帳が便利だと思う点は、
- 薬剤師に薬の飲み合わせを確認してもらえる[62.2%]
- 自分の服用している薬をすぐに確認できる[61.5%]
- 服薬内容を薬剤師や医師に正確に伝えることができる[51.0%]
電子お薬手帳が便利だと思う点は、
- 忘れない
- 情報管理が容易
- かさばらない
- 紛失しない
- 環境に優しい
このような結果から、今後需要はますます高まってくると考えられます。
2016年診療報酬改定内容-電子お薬手帳の活用-
薬剤服用歴管理指導料
薬剤服用歴管理指導料の補足説明において、次の一文が付け加えられました。
「電子版の手帳について、紙媒体と同等の機能を有する場合には、算定上、紙媒体と同様の取扱いとする。」